血液のがん患者さんを対象にした質問促進リストと看護師ナビゲーションの有効性の検証（通称：MagiQ研究）

【背景】

血液のがんと診断されると、患者は短期間のうちに治療に関する重要な選択を迫られる。しかし、病気や治療の説明は難解であり、疑問や不安を十分に相談できないまま治療方針の決定が進んでしまうことも少なくない。さらに、血液がん特有の治療に伴う副作用や生活上の悩みも抱えていることから、血液がんの特徴を踏まえた意思決定支援プログラムが必要であると考えた。

【目的】

MagiQ研究では、医師との話し合いの前に、質問例を記載した質問促進リストを用い、患者が気になることや医師にたずねたいことを整理できるよう、看護師がナビゲーションを行う意思決定支援プログラムを提供する。本プログラムは、血液がん患者が納得して治療を選択できるよう支援し、その結果として患者の治療に関する意思決定の満足度が向上することを目指すものである。

【研究方法】

血液のがん（悪性リンパ腫、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫）と初めて診断され、これらの疾患に対する治療を初めて開始する患者を対象とする。治療の説明を受ける前に、質問例が載った質問促進リストを使い、看護師が患者と一緒に医師にたずねたいことや気になることを整理する支援を行う。その効果を確認するため、「共通パンフレットの配布と通常ケアのみ」を受ける患者と比較し、有効性を検証する。