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研究番号

高齢がん患者のニーズにあった多職種サポートを行うためのアプリケーションを 活用した高齢者機能評価とコミュニケーション支援:MAPLE2 パイロット試験

【背景】

高齢者機能評価(GA)とは、加齢に伴って生じるからだや心の状態、日常生活に関する困りごとを把握するためのアンケートです。先行研究(MAPLE試験)では、高齢がん患者さんが抗がん薬治療を受ける際に、面談形式でGAとコミュニケーション支援を行いました。その結果、診察時に患者さんと医師との間で加齢に伴う困りごとに関するコミュニケーションが増えて、多職種によるサポートが積極的に行われ、副作用の軽減や治療継続に役立つことが示されました。

【目的】

先行研究(MAPLE試験)で有効性が示されたGAとコミュニケーション支援を組み合わせたプログラムを、モバイル端末上のアプリケーション(アプリ)を用いて自動化し、新しいプログラムとして開発します。そして、この新しいプログラムについて、70歳以上で、新たに抗がん薬を開始予定または治療内容を変更予定のがん患者さんに対して、実際の診療の場で使用できるかどうかを検証します。

【研究方法】

本研究は、多施設共同非盲検ランダム化比較試験です。対象は、70歳以上で、固形がんまたは悪性リンパ腫と診断され、新たに抗がん薬治療を開始予定または治療内容を変更予定で、GAによってからだや心の状態または日常生活に関する心配な点が1つ以上見つかった患者さんです。介入群と通常診療群にランダムに割付けられます。介入群では、アプリ上でGAとコミュニケーション支援を行い、患者さんに合わせて個別化されたケアプランが自動で作成されます。ケアプランは患者さんと医師へ共有されます。通常診療群では、普段通りの診療を行います。初回診察後と3か月後にアプリ上でアンケート調査を行い、カルテ情報から治療状況などを確認します。

研究課題
高齢がん患者のニーズに即したマネジメント実施のためのアプリケーションを活用した 高齢者機能評価とコミュニケーション支援プログラム:パイロット試験
研究番号
SaQRA2501
承認日
2025年8月5日
領域
コミュニケーション,その他(老年医学・高齢者のがん治療)
対象
1. 固形がん(原発不明がんを含む)または悪性リンパ腫と診断されている。 2. 研究登録日の年齢が70歳以上である。 3. ECOG Performance Status Scoreが0–2である。 4. 新たに抗がん薬治療を開始する、もしくは治療内容を変更する予定である。 5. 日本語による読み書きおよび理解が可能である。 6. 試験参加の同意が本人より文書で得られている。 7. GAにおいて、からだや心の状態または日常生活に関する心配な点が1つ以上ある。
目的
先行研究(MAPLE試験)で有効性が示されたGAとコミュニケーション支援を組み合わせたプログラムを、モバイル端末上のアプリケーション(アプリ)を用いて自動化し、新しいプログラムとして開発します。そして、この新しいプログラムについて、70歳以上で、新たに抗がん薬を開始予定または治療内容を変更予定のがん患者さんに対して、実際の診療の場で使用できるかどうかを検証します。
アウトカム
【主要評価項目】 介入プログラムを完了した患者の割合[初回介入後の診察後] 【副次評価項目】 同意割合 介入プログラムの有用性と負担感(医師、患者)[初回介入後の診察後] 化学療法の有害事象の頻度・重症度評価(CTCAE/PRO-CTCAE)[3か月後] 予定治療の継続割合[3か月後] 予定外入院と予定外受診の有無[3か月後] 手段的日常生活動作(IADL)[ベースライン、3か月後] 健康関連の生活の質(EORTC-QLQ-C30)[ベースライン、3か月後] コミュニケーション満足度(CARE-10)[初回介入後の診察後、3か月後] 推奨される多職種によるサポートの実施割合[3か月後]
デザイン
多施設共同非盲検ランダム化比較試験
責任研究者
藤森 麻衣子
研究費
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
論文一覧

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