論文公開

研究番号

日本におけるがん治療に関連する経済毒性についてのスコーピングレビュー

【本研究について】

がん患者さん、ご家族、医療従事者が経験する治療関連の経済的な負担感を経済毒性と言います。

経済毒性は、①支出の増加、雇用形態の変化といった物質的毒性、②医療費についての不安、治療や治療費についての懸念といった精神的毒性、③治療費が治療の選択や継続に与える影響といった行動的毒性で構成されます。

世界的に関心が高まっていますが、日本ではまだまだ研究が進んでいません。

そこで私たちは、日本の実態として、経済毒性の経験の理解と、支援策の提案を目的として、過去の研究結果を整理しました。

その結果、患者さんの7割、ご家族の3割に経済毒性が認められ、治療選択時に8割以上の患者さんと医師が治療費を考慮していました。

経済毒性は、年齢が若く、介護者が配偶者で、所得が比較的低い場合に多く報告されました。中でも心理的毒性は、女性、未婚、家族の介護を受けている場合に多い可能性が報告されました。またご家族の気持ちのつらさや悲しみを増加させる要因となっていました。

一方で、経済毒性を和らげるような支援ができているとは言えず、高額療養費制度・傷病手当金・医療費控除などの制度利用は限定的でした。

支援策として、「がん対策推進基本計画」にあるようながん相談支援センターなど相談窓口の機能を強化し、支援制度の情報を届けることで、必要な方が利用しやすくなること考えられます。また、さらなる研究のために、経済毒性の研究グループを発足し、診療に役立つガイドライン作成に必要なエビデンスを構築することなどが求められます。

【研究概要】

日本人を対象とした研究を調査した結果、米国と同程度の経済毒性が認められました。介入策の周知徹底が必要であり、医療者、行政担当者、患者家族、患者の支援者を含む関係者がとり得る対処法について、さらなる研究が求められます。今回調査したのは研究論文のデータベースに掲載され、以下の要件を満たした632論文です:1)がん患者の診断・治療による経済毒性の経験についての調査、2)日本に特化、3)がん患者の経済毒性に関連する経験に焦点

研究課題
日本におけるがん治療に関連する経済毒性についてのスコーピングレビュー(承認審査なし)
研究番号
承認審査なし
承認日
領域
経済毒性
対象
日本のがんサバイバー
目的
アウトカム
経済毒性
デザイン
スコーピングレビュー
責任研究者
藤森麻衣子
研究費
国立がん研究センター研究開発費(2022-A-22)
論文一覧

Itani Y, Obama K, Fujimori M, Saito J and Uchitomi Y (2023) Cancer treatment-related financial toxicity in Japan: a scoping review. Front. Psychol. 14:1205016. doi: 10.3389/fpsyg.2023.1205016

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