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研究番号
術後に遷延する痛みを有する乳がんサバイバーに対するスマートフォン心理療法の開発研究:来院を必要としない革新的な臨床試験基盤を用いたランダム化比較試験

【背景】
乳がん患者の20-60%が術後の慢性、遷延性の疼痛(乳房切除後疼痛症候群Post Mastectomy Pain Syndrome: PMPS)を経験しているが、病態は不明であり、効果的な治療法が存在しない。我々は新世代の認知行動療法であるアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)を用いてPMPSを含む慢性疼痛を緩和する可能性を示唆してきた。多くのがん患者数に比し、少ない医療資源を勘案し、スマホで実施できるACTアプリを開発することは有用であると考えた。
【目的】
乳房切除後疼痛症候群(Post Mastectomy Pain Syndrome: PMPS)に対するスマートフォン心理療法を開発することを目的とした。その際、これまで我々の研究グループで開発してきた来院に依存せず臨床試験に参加し、完遂可能な分散型臨床試験基盤をさらに改良して実施することとした。
【研究方法】
我々が実際の臨床で実施している慢性の痛みを有する患者に対するACTの治療プログラムに基づくスマホアプリを作成し、その有効性を改良した分散型臨床試験基盤のもとでのランダム化比較試験で検討する。最初に単施設の予備試験を行い、そのデータをもとに効果を確かめる多施設のランダム化比較試験を実施する。研究の対象者は、乳がん術後1年以上経過して、がんが再発していない、18歳以上の患者のうち、乳がん手術後に長引く痛みを有するものとした。
- 研究課題
- 乳がん患者の乳房切除後疼痛症候群に対するスマホ精神療法の開発:革新的な分散型基盤を用いた多機関共同無作為割付比較試験
- 研究番号
- SaQRA2301
- 承認日
- 2023年10月19日
- 領域
- 痛み,後遺症・副作用,その他:PRO,その他:デジタルヘルス
- 対象
- ① 乳がん診断を受けている ② 乳がん術後1年以上経過して,がんが再発していない ③ 同意取得時点で18歳以上 ④ 乳がん手術後に長引く痛み(術後から,手術部,脇の下,手術を受けた側の腕の痛み)が術後 1年経過した時点でも存在する,あるいは,再建術に関連する部位(再建部および再建のために手術を受けた背部や腹部など)の痛みが再建術後1年経過した時点でも存在する 他
- 目的
- 改良した分散型臨床試験基盤の確立し、乳房切除後疼痛症候群(Post Mastectomy Pain Syndrome: PMPS)に対するスマートフォン心理療法を開発する。
- アウトカム
- 痛みの支障(BPI干渉)、痛みの強さ(BPI強度)、倦怠感・しびれ(MDASI)、痛みの受容(CPAQ)、再発恐怖(FCRI-SF)、労働生産性(WPAI)、不安・抑うつ(HADS)、心理的柔軟性(AAQ-II)、価値に沿った行動(VQ)、QOL(EQ-5D)、有害事象・副作用
- デザイン
- 責任研究者
- 名古屋市立大学大学院医学研究科 明智龍男
- 研究費
- 日本医療研究開発機構・革新的がん医療実用化研究事業(アンメットメディカルニーズに応える支持・緩和医療の開発に関する研究) 文部科学省科学研究費補助金・基盤B
- 論文一覧
予備試験の結果を投稿中
- 学会・
シンポジウム等発表 - 特許
特願:2024-516288(発明の名称:治療支援システムおよび治療支援用プログラム)
- 普及・啓発活動
検証試験終了後にプログラム医療機器を目指す予定